お客様導入事例|セントラル洗浄

ケルヒャー業務用品を導入いただいたお客様の事例をご紹介いたします。

導入事例:株式会社佳長様 セントラル洗浄システム

導入事例:株式会社佳長様 セントラル洗浄システム

業務上の課題

導入後の効果

手作業での清掃を毎日2時間以上…。重労働ゆえに品質が不安定だった

清掃作業の機械化によって誰でも簡単に作業でき、品質が向上!毎日の作業は1時間で完遂

新工場の建設、HACCPの義務化などから最適な清掃手法を模索していた

工場清掃を網羅する資機材を1社(ケルヒャー ジャパン)から調達でき、食品製造業における食品安全管理を構築

清掃資機材の準備が重労働かつ持ち運びによって汚れを広げるという懸念もあった

高圧洗浄機のセットは不要!製造ラインに常設してあるホースにトリガーガンを接続するだけで簡単に温水高圧洗浄が可能に!

セントラル洗浄システムなど清掃機器導入企業

株式会社佳長
(兵庫県朝来市山東町一品231番地2)

2003年創業。人をうならせる本格派えびせんべいを探求し、常識では考えられなかったえびを約70%使用。米作りにもこだわり、自家農園「佳長ファーム」で土壌を作り、自然農法でお米を栽培している。門外不出の「二度熟成・二度焼」という特殊な製法によって、時を費やし、素材を活かすことに成功した。

 【協力】代表取締役 村田 博昭様

2021年6月からHACCPに沿った衛生管理が完全施行され、食品製造工場の現場では、製品の品質と安全性を確保するため、予防的なアプローチが重視されている。兵庫県朝来市にえびせんべいの工場と直売所を構える株式会社佳長は、〝清潔〟にフォーカスし、食品工場の環境整備を見直すことにした。

その環境プロデューサーに任命されたケルヒャー ジャパンは、セントラル洗浄システム「HDCクラシック」を中心に、誰でも簡単に高品質な環境衛生を築くことができる清掃マシンを提案。

大がかりな環境整備と当社の提案を受け入れていただいた背景とは何だったのか──。

そこには、佳長の村田博昭社長がこだわる食の「品質」と「安全」の両面が関係していた。

株式会社佳長 代表取締役 村田博昭氏
  

導入のきっかけ

食品工場の環境整備をケルヒャーに一任!

佳長のえびせんべいは、製造工程それぞれに人が関わり、1枚1枚を職人が丁寧に焼き上げるという。えびを約70%使用し、特殊な製造方法と技術から生まれるそのえびせんべいは、素材本来の風味を十二分に引き出し、唯一無二の味わいが楽しめる。

創業は2003年。「えびせんべい」という確立したジャンルにおいて、後発に近い同社。しかし、その味と村田博昭社長の「商売は親心、お客様を我が子と思い真の安心をお届けする」の経営理念から、高島屋、三越伊勢丹のバイヤーが一目置くほどの企業となり、2020年には、新工場を建設し、工場直販のお店を構えるまでに急成長を見せている。

この工場建設において考えたのが、〝環境整備〟であった。

「お客様にえびせんべいを食べていただくには、きれいな心を持って、きれいな工場とその設備で作り上げることが『本物』だと思ったのです」(村田社長)

村田社長は、世界最大級の食品製造総合展「FOOMA JAPAN 2019」を視察し、ケルヒャー ジャパンのブースでセントラル洗浄システム「HDCクラシック」を目の当たりにした。

ケルヒャーのセントラル洗浄システムは、施設内のどこにいても高圧洗浄を使用することができ、さらには約85度の熱湯を吐出することで、油汚れを溶かしながら落とすことができる。

「フライヤーを使う製造ラインでは、床に落ちた油が酸化してしまう。せんべいのふりかけも舞ってしまうため、それをその日にきれいにする。重労働ですけど、整理整頓清潔は食品を作るうえでの根本ですよ。整理整頓はできるけど、清潔というと普通の洗浄ではできない。セントラル洗浄システムを見たときに、それが叶うかもしれんなと…」(村田社長)

約1年半、当社では、佳長の新工場の環境整備を構築するべく、セントラル洗浄システム「HDC クラシック」(写真1)はもちろん、セントラルバキュームシステム(写真2)、床洗浄機「BR 45/22 C Bp」、乾湿両用掃除機「NT 22/1 AP Bp」、スチームクリーナー「SG 4/4」以上を導入いただくことで、清潔な環境を維持することができ、かつ従業員一人ひとりの清掃作業の負担が軽減すると考えた。

工場全体の高圧洗浄をこれ1台でまかなうことができる設置型高圧洗浄ユニット
【写真1】設置型高圧洗浄ユニット。工場全体の高圧洗浄をこれ1台でまかなうことができる産業用バキュームクリーナーと配管を組み合わせたセントラルバキュームシステム 【写真2】産業用バキュームクリーナーと配管を組み合わせたセントラルバキュームシステム

  

導入のポイント

清掃にかける時間が半減

▶フライヤー室の清掃:

佳長ではこれまで、終業の2時間前に清掃を開始。フライヤー室の床の清掃は、ホースで水を撒き、中性洗剤とデッキブラシで力強く擦る。その後、漂白剤を撒いて除菌。再び、ホースで水を撒いてリンスした後、換気システムを用いて乾燥させていた。

コンベヤーについても、ブラシやスポンジを用いて、手作業が基本だったという。


課題となっていたのが、油汚れとえびせんべいの表面にふりかけるネギや粉末類が、床やコンベヤーにこびりついてしまうこと(写真3-4)。



導入のポイント

また、従業員は製造ラインのプロであるが、清掃のプロではない。

村田社長は、従業員一人ひとりの清掃の負担を軽減することで、えびせんべい作りに注力することができ、食品の品質はもちろん、働く環境の改善につながると確信した。


そのため、セントラル洗浄システム「HDCクラシック」を導入したことで、清掃にかける時間は1時間も短縮した。

終業の1時間前に清掃を開始し、フライヤー室に常設してあるホースにトリガーガンを接続し(写真5)、同時に3人まで温水高圧洗浄が可能に(写真6)。床面、コンベヤー、台車などを洗浄しつつ、同時に除菌を行う。

これまで手作業、もしくは専用の機材を準備したり、持ち込んだりしていた手間がなくなった。



導入のポイント

洗浄後は、床洗浄機「BR 45/22 C Bp」にイエローパッドを装着させ、磨きと同時に汚水回収。小回りが効き、清掃のプロではない女性スタッフでも洗浄機を押すだけで簡単に清掃マシンを扱うことができている(写真7)。


コンベヤーの下、入り組んだところは、乾湿両用掃除機「NT 22/1 AP Bp」で吸水と同時に粉末類を吸引(写真8)。乾燥時間の短縮はもちろん、汚水を残さないことで、清潔な空間を維持することにもつながっている。


導入のポイント

▶梱包ゾーンの清掃:


フライヤー室の次が梱包ゾーンとなる。フライヤー室から乾いたえびせんべいがベルトコンベヤーによって運ばれてくるが、まだ完全には油が乾いていないため、フライヤー室同様、ふりかけたネギや油が床に落ちる。



ただ、条件としては、水や洗剤で洗い流せない。



梱包ゾーンでは、ベルトコンベヤーをセントラルバキュームシステムで粉末類を吸引し、その後、スチームクリーナー「SG 4/4」を用いて約100℃の高温で強力スチーム(写真9)。汚れはもちろん、徹底除菌することで食品の安全性を担保。


床面は、乾湿両用掃除機「NT 22/1 AP Bp」で除塵した後、床洗浄機「BR 45/22 C Bp」を用いて洗浄し、すぐさま汚水回収。油汚れと台車のタイヤ痕などで黒ずむものの、「BR 45/22 C Bp」とイエローパッドによって美観がたちまち回復していく。(写真10)


導入のポイント

「食品の安全性を求めるときりがありません。コストをかけて安全性を買い、その付加価値として従業員一人ひとりの効率性を上げることができたと思っています。新工場は、旧工場と比べて延べ床も広くなりましたが、清掃時間は半分に短縮することができました」 (村田社長)

  

導入後の効果

HACCP管理を意識した環境整備を実行

佳長は、工場の品質検査を外部委託している。

2021年6月からHACCP※に沿った衛生管理が完全施工され、同社も新工場の設計にあたって、HACCPを意識した環境づくりを展開した。


一般衛生管理からHACCP管理を実行することで、物理的危害要因(異物の混入)、生物的危害要因(微生物の発生)、化学的危害要因(有害物質の有無)といった危険要因を除去もしくは低減させることで、製品の安全性を確保することができる。


だからこそ、手作業に近かった清掃手法を機械化することで清掃時間を短縮し、それでいて工場の環境衛生を向上させることができたのである。


実績も伴い、社団法人兵庫県食品衛生協会から令和5年3月20日付で「食品衛生優秀店舗」に推奨された。これは、食品衛生の優秀な店舗を選定し、店舗に推奨状および「秀」の看板を掲示することによって、食品関係営業の衛生状態の改善及び管理の意欲の向上をはかり、飲食に起因する事故の発生を未然に防止し、かつ、一般消費者の利用の便に供することを目的としており、佳長が目指した〝環境整備〟が認められた瞬間でもあった。


「自社で品質管理の部門を持とうと思ったら大変です。外部団体に品質検査を依頼したり、取引先からいろいろとご教授いただいたり、その結果が実ったのかもしれませんね」(村田社長)


きれいな工場とその設備が出来上がったことで、従業員一人ひとりのモチベーションはおろか、佳長のえびせんべいを焼き上げる職人もその業務に注力することができている。


「工場を清潔に保つことで、翌日には、やっぱり新たな気持ちで作業に取りかかれます。しっかり洗浄できるのがケルヒャーのシステムちゃうかな」(村田社長)


本物を追求し続ける佳長のえびせんべい─。

食品工場の環境衛生が整ったことで、次なる目標は、「10億企業」と宣言した村田社長。食品も、食品作りも、工場の衛生環境も、スタッフの働く環境も、一切の妥協がない。


導入後の効果
【写真11】左にあるのが、社団法人兵庫県食品衛生協会「食品衛生優秀店舗」の推奨状。常に衛生的な状態を保ち、佳長様のえびせんべいが生産されている

※Hazard Analysis and Critical Control Pointsの略称。食品製造業における食品安全管理のプロセスであり、製造プロセスにおける危害(物理的、化学的、生物学的)を分析し、それらをコントロールするための手順を定義すること。予防的なアプローチを重視し、製造工程内の重要な管理ポイントを特定し、リスクを最小限に抑えることを目指す。
  


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