アフリカ豚熱(豚コレラ)には清掃による予防
ヨーロッパや中国で報告されているアフリカ豚熱(アフリカ豚コレラ)は日本で「家畜伝染病」に指定されており、発生した場合の畜産業界への影響が甚大なため、とても警戒が必要です。また、日本でも豚コレラの発生が報告されています。
農場、養豚場においては、正しい清掃を行うことで家畜を守ることに貢献できます。
注:アフリカ豚コレラと日本の豚コレラの対策は似ており、参考にできるものとして公開しております。また、アフリカ豚コレラは豚・いのししの病気であり、人に感染することはありません。
徹底した衛生管理
アフリカ豚コレラは、豚、いのししのみで致死率がほぼ100%のウイルス性の病です。
不衛生な管理状態や汚染した餌の廃棄方法などで感染が容易に広がってしまいます。衛生管理については妥協しないことがウイルスから守ることにつながりますので下記を実践していきましょう。
ステップ1:農場の環境を把握する
法規、農林水産省などの指示を理解し、正しく理解し実践することが必須です。ヨーロッパ(EU)の場合はAnimal feed hygiene (EC 183/2005), Food hygiene (EC 852/2004), Food safety (EC 178/2002), Animal health law (EU 2016/429)となります。
感染が想定できるルートを獣医や有識者と確認します。例としては、関係者以外の人間・汚染された餌・排泄物・機材・車両(トラックなど)・ダニや野生動物があります。さらに、衣服類も感染ルートとして想定しておく必要があります。
実際にはまず農場の設備や環境を把握することです。必要に応じて建物の入退室管理も行います。さらに、塀・柵・網で野生動物から食餌や機材などが感染経路にならないように管理しないといけません。
ステップ2:衛生管理エリアを確認する
実務と衛生管理手順・作業を確認してから、管理エリア内で「白」エリアと「黒」エリアに分けて清掃・管理することをお勧めします。
こういった「白」と「黒」で分けることで衛生管理がしやすくなります。きれいな「白」エリアと汚れた「黒」エリアに分けることで、働く人とその家族への影響を最小限に抑えることを可能にします。清掃・消毒する時は、「白」エリアを先にしてから「黒」のエリアをおこないます。先に清掃する「白」エリアが汚染しないようにしましょう。「白」エリアの壁や床、濡れているところの掃除には、乾湿両用バキュームクリーナーやスチームクリーナーが便利です。ロッカーやシュークロークなどの掃除にかかる時間も大幅に短縮できます。
ステップ3:すべての行動を記録する
手順などが順守されていることを確認できるように、すべての行動を記録して第三者もわかるようにしておきましょう。記録は衛生に関しての意識の高さを示し、問題が起きた時にも影響範囲を最小限に抑えます。
防御策の一覧
メリット
温水高圧洗浄を使うことのメリット
温水高圧洗浄機を利用すれば、冷水高圧洗浄機を比べて40%効果が増して、かつ乾燥までの時間も短縮でき、その分を野生動物とウイルス侵入を防ぐために壁や塀などの補修などにあてられます。
高圧洗浄機で畜舎を洗浄するには
高圧洗浄機は屋外に置き、高圧ホース接続口を畜舎の各所に設けることで衛生状態を維持できます。高圧洗浄機本体は屋外か隔離された場所に設置してください。各畜舎で使う高圧ホースとトリガーガンは各建物専用に設けて、同じものを使い回ししないようにしてください。なお、高圧ホースが60m以上になる場合はホースの径を確認・調整して、圧の損失がないようにしてください。
動画
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